12/14/2022

雪に包まれた町の様子

 イギリス全体が雪に包まれています。ロンドンからは、子供たちが雪合戦をする様子や、真っ白に染められた道の写真が送られてきます。

金曜の早朝、起きてすぐに窓の外をみると銀世界です。芝生はすっかり雪に覆われて、厚いカーペットのよう。明るくなってから早速散歩に出ました。気温も零下です。あまりに寒い空気に、普段は犬の散歩をしている人に出会うのですが、この日はさすがにほとんど見かけません。

そんな中で散歩を楽しみながら沢山写真を写してきましたので、そのうちの何枚かを皆さんに観ていただこうと思います。






住宅街も商店街もクリスマスの雰囲気がいっぱいです。






















来週はこの雪も溶けてしまうとか。今のうちに雪の世界を堪能したいと思います。

11/12/2022

日本版とイギリス版の映画「生きる」

先日オリバー・ハーマナス監督による映画 ’Living' を観てきました。この映画はお役所で長い間働いて来たある男性が癌で余命少しと言われ、それからの人生を真の意味で「生きる」ことに捧げる物語です。「日の名残り」でブッカ―賞を、2017年にはノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロが脚本を書いています。




この映画は1952年に黒沢明が監督し、志村喬主演の映画をリメイクしたものです。

https://www.youtube.com/watch?v=9Gm5rDwO7Ns




この予告編の中では「死に面してはじめて生を思う人間の軽薄」「真実に生き抜いてこそにじみ出る美しさ」という言葉が出てきます。お役所の仕事、つまり官僚制度を批判をした映画でもあるのですが、最後の命を子供たちの遊ぶ公園を造ることに捧げる主人公渡邉のひたむきさ、そして彼が「ゴンドラの唄」を歌いながらブランコに乗るシーンは30年以上前にこの映画を観て以来、ずっと私の心の中に残っています。

一方イギリス映画の方は、1952年のロンドンを舞台に製作された作品ですが、山高帽を被って毎日市役所に通勤するミスター・ウィリアムズ。同じ時期のイギリスと日本を見るのも興味深いです。

因みにロケに使われたカウンティ・ホールは昔のロンドン州議会堂で、実は大昔に私が観光ガイドとしての資格を取るために通った場所でもあり、映画を観ながら懐かしさがこみあげて来ました。

日本では来春公開とのことですが、是非見ていただきたい映画です。そして出来たら黒沢明監督の「生きる」も是非是非ご覧ください。

さて、11月のオンライントークは先月に引き続き、「王室と動物 その2」を開催します。

第38回目 「王室と動物 その2」

期日:11月24日(木) 19時より(イギリス時間10時)

   11月26日(土) 20時より(イギリス時間11時)

   同じ内容です。

お申し込み:info@culturetourismuk.com

定員:30名 

料金:各¥1,000  

詳細は culturetourismuk.com をご覧ください。




9/13/2022

毎日の報道は女王様ご逝去、チャールズ3世のご即位 の儀式でいっぱいです。イギリスと言えばエリザベス女王という実に大きな存在だった方が、死去されたこと、そして女王以外の君主が誕生されたこと自体実感が湧かない毎日です。




特に愛されたバルモラル城。誰かがこんなことを言っていました。「女王がバルモラル城にいらっしゃるときは、門に王冠をかけて、ご滞在中は妻、母、祖母、曾祖母に徹していらっしゃった。」と。そんなバルモラル城で亡くなられたことが何か象徴的なことに思えます。そしてもしイングランドで亡くなられた際は、愛するスコットランドの人々がお別れを言う機会もなかったであろうという事実が、更に女王とスコットランドの絆を強くした気がします。




今日までご遺体はエジンバラのセント・ジャイルズ大聖堂に安置され、人々がお別れをしています。そして今日の午後にロンドンに戻られます。


カルチャー・ツーリズムUKの9月のオンライントークは、7月に続き、テュ―ダー王朝のお話ですが、内容を少し変更して、最初の10分くらいは現在のイギリスの状況をお伝えしたいと思います。どうぞご参加ください。

第35&36回目 「テューダー王朝  その2&3」

前回(テュ―ダー王朝 その1)ではテュ―ダー王朝にたどり着く前のばら戦争からヘンリー8世の最初の結婚までをご一緒に学びました。今回はその後のヘンリー8世の2度目のお妃であったアン・ボリンの話から始まります。この時代はイギリスの国教がカソリックからイングランド教会に変わった時期で、歴史上大変重要な時代です。ヘンリー8世と6人のお妃のことはこれまで映画やテレビドラマにもなっているほどですが、ヘンリーの離婚、再婚によって、この国がどのように変化をしていったのかを詳しく観てみましょう。

期日:その1

     9月15日(木)  19時より(イギリス時間11~12時) 

     9月17日(土)  20時より(イギリス時間12~13時)  

            その2

     9月22日(木)  19時より(イギリス時間11~12時)

     9月24日(土)  20時より(イギリス時間12~13時)

お申し込み:info@culturetourismuk.com 

 定員:各30名 

 料金:各¥1,000 

*トーク終了後はいつものようにおしゃべりの会を設けます。興味のある方は、是非ご参加ください。

9/09/2022

エリザベス女王が逝去されました。

 



スコットランドのバルモラル城で静養されていたエリザベス女王が、昨日逝去されました。昨日から、テレビでは女王関係の報道が多く、今日はBBCでは一日中放送されるそうです。

さっきは国会で議員たちが追悼の言葉を述べていました。それぞれの議員が個人的に女王と会った時の思い出などを語っていましたが、知らなかった女王の一面を見たような感覚と、「やっぱり思った通りの女王様だった。」という気持ちが重なります。

これまでのイギリスの君主の中では最も長く在位された女王様は今年ご即位70周年を迎えられたばかりでした。昨年4月最愛の夫君であったフィリップ殿下を失くされてからは健康も思わしくなく、国民の心配がとうとう昨日残念な結果になってしまいました。

この国には王制に対して批判的な人はいますが、エリザベス女王を個人的に批判する人はほとんどいないと思われるほど、女王の人気は絶大なものでした。何より女王としての「義務」をいつも優先し、イギリスの君主として、また英連邦加盟国(British Commonwealth of Nationas)である54カ国の首長としての功績は誰もが知るところです。

国民の多くにとってはエリザベス女王は唯一の女王であり、それぞれの人生の中で大きな部分を占めて来ました。

ご冥福をお祈りします。


昨日バッキンガム宮殿の正面にかかった二重の虹 


© Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2022


バッキンガム宮殿

             © Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2022

8/19/2022

オックスフォードとコッツウォルズへ

 パンデミックが始まって以来、初めてのガイディングの仕事をしました。お客様は86歳のお祖母さまを含む母娘3代の方々。

約3年も離れていた仕事です。まるで初めての仕事をするようにドキドキ。ホテル出発1時間前には到着。初めて乗った新しい地下鉄エリザベス線は、駅、プラットフォーム、車内のスーペースもよくとっていて快適でした。







忘れられない思い出のひとつは、ガイドの資格を取得した最初の仕事です。近畿ツーリストの観光バスの仕事でした。バス会社はエンジェル・コーチ、運転手さんはエディという人でした。

事前に一日の観光で訪れる場所、ルート、時間を紙に書いて当日の朝に運転手に渡したところ、「いちいち読むのが面倒だから、その都度言ってくれればその通りに運転するから。」というなんともそっけない答え。時間をかけて作った日程表も役に立たず・・・・・

今回は専用車でしたので、私は運転手の隣に座って次々に訪れる場所、時間を相談しながら進めました。

パンデミックで、世界が色々変わりましたよね。観光に関しても全く同じです。事前に調べなければいけないことが多く、ハリー・ポッターファンが訪れるクライスト・チャーチ(カレッジ)は現在はブルーバッジガイドはガイドが出来なくなっていました。事前に予約しました。そうすると待ち時間も少なくて済みます。お客様はオーディオ(日本語あり)でご自分で見学されている間、私は外でお待ちしています。その間出口の近くを散歩。


クライスト・チャーチのトムタワー(左)、ホール(中央)、聖堂、手前がメモリアルガーデン。




クライスト・チャーチの敷地も変わっていました。すでに秋を思わせるメープルの色。




ワイルドのメドウガーデンっぽい花壇も出来ていました。蝶や蜂が喜びそう!



お昼はチッピング・キャムデンのティーショップで。気持ちの良い天候で、ガーデンでランチ。



人参とコリアンダのスープはイギリスでは人気です。スープとサンドイッチのセットは10ポンド弱。



チッピング・キャムデンの後はスノーズヒル、ボートン・オン・ザ・ウォーターをご案内し、ロンドンに向かいました。ポルトガル人の運転手は、超々安全運転で、慎重なドライバーでしたので、安心して運転を任せられました。

楽しい家族旅行、楽しんでいただけたら嬉しいです。86歳とは思えずお元気なお祖母さまは「これが最後。」とおっしゃっていましたが、今までにそうおっしゃって再会したことは数えきれません。またいつかお会いしましょう!

6/17/2022

予想気温30度の今日は・・・・・

 ここ数日良いお天気が続いています。でも、今日は30度まで気温が上がるとか・・・・そこで、愛犬との散歩も朝の9時に行って来ました。

実は、数年前にこんなことがありました。その日はとても暑い日で、汗をかきながら散歩していたところ、若い男の人がやってきてこう言いました。「こんな暑い時に散歩なんて無茶だ!何故朝の暑く前に来ないんだ。熱中症になったらどうする!」相当厳しい口調だったので、「知らない人が私の体をこんなにも心配してくださって。」と胸が熱くなりました。


そうしたら「ホラ!元気がないだろう。」・・・ウン?彼が心配していたのは私ではなく、愛犬のルビーのことだったのです。ロビーは寒さにはとても弱いのですが、暑いときにも元気がなくなります。それ以降、気温が上がるという予報のある時は早めに散歩をすることにしています。


今日は家から歩いて10分ほどのスピニーズという林に行って来ました。小さな林ですが、沢山木が生い茂っていて、しかもそよ風が吹いていて気持ちの良い散歩となりました。







涼しい林でルビーもハッピーです。



イギリスの普通の家にはエアコンはありません。お店、ホテル、レストラン、地下鉄は別として民家ではその必要はほとんどないからです。暑い日でも湿気が少なく、石や煉瓦でできている家の中は涼しいのです。

ということで今日は、家の中にこもってじっとしていることにします。


6/07/2022

プラチナ・ジュビリーのイベント ウィンザーのBig Lunch

 女王即位70周年を祝うために特別に設けられた4日間の連休が終わり、エキサイティングなさまざまなイベントに参加して、今日あたりからそろそろ元のイギリスに戻りつつあります。

とは言ってもイベントは終わっても、お祭り気分は相当長く続くかもしれません。我が家の隣村のパブです。





我が家の前の道でもストリート・パーティ(Big Lunch)が企画されましたが、近所にご不幸がありキャンセル。それでも町の中心にある植林園ではピクニックと共に歌と踊りのお祭りが行われました。





日曜日はウィンザー城のロング・ウォークで行われたBig Lunchに参加。このBig Lunchは皆が食べ物やドリンクを持ち出して、ご近所の人たちと一緒に過ごすもので、2009年にコミュニティの絆を強めるために始まったイベントです。

昔と違い、今の人々はあまりに忙しい生活をしているからかもしれませんが、近所の人たちと過ごす時間が少なくなっています。イギリス人って最初はとっつきにくいところがあるかもしれませんが、実は楽しいことが大好きな国民であることは、このようなイベントに参加するとよくわかります。

今年は全国で1000万人が全国各地で開催されたBig Lunchに参加したと報道されていました。

私は今月の英国ライフに掲載される記事の取材を兼ねて行ってきました。場所はウィンザー城の女王様のプライベートの出入り口に続く一本の長い道ロング・ウォークです。そこに設置された488人が座れる長いテーブルは800メートル。

テーブルは無料で予約できるのですが、予約受付とほとんど同時に満席。私は芝生の上でピクニックを楽しみました。








ホームメイドのランチ、ケーキ・・・・・装いも思いっきり派手に、そして家族や友人たちと過ごす時間は特別です。今生きている人にはおそらく二度と経験できないであろうプラチナ・ジュビリーです。

今回のイベントの一つ一つからエリザベス女王に対する国民の絶大な人気を感じました。国民にとっての、エリザベス女王の存在、また女王に対する感謝の気持ちが身に沁みて感じられました。

それは1947年、彼女が21歳の時に(イギリスでは21歳で成人になる大切な年)イギリス国民と英連邦の人々に向けたメッセージから読み取れます。



「私は、私の全生涯を、例えそれが長かろうが短かろうが、あなた方と我々の全てが属するこの偉大な、そして威厳のある国家に捧げる決意であることを、ここに宣言いたします。」


そのメッセージから今年で75年目。国民との約束を75年間守り続けている女王様には国民は感謝の気持ちを込めてプラチナ・ジュビリーを祝っています。


オリンピックの開会式で映し出された動画を覚えていらっしゃいますか?、女王様がジェイムズ・ボンドと共演した際にヘリコプターから飛び降りたあの動画・・・・

それに続いて第二弾が今回のパディントンベアーと一緒にアフタヌーンティを取る動画ですご家族にも内緒で撮影されたというこの動画は最高で、パディントンベアーは国民の気持ちを見事に女王様に伝えてくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=7UfiCa244XE



さて、6月のオンライントークはプラチナ・ジュビリーに因んだお話です。ご興味のある方は是非ご参加ください。


第31&32回目  「エリザベス2世プラチナ・ジュビリー~その1&2」 

 今年2月、英国君主として史上初の即位70周年を迎えられたエリザベス2世。これまでに迎えられたシルバー・ジュビリー、ダイアモンド・ジュビリーを通してイギリスの移り変わりを見てみましょう。 

それに加え、イギリスで長く君臨したジョージ3世、ヴィクトリア女王のジュビリーに関してのトークをします。それぞれの時代でゴールデン・ジュビリー、ダイアモンド・ジュビリーを国民はどのようにお祝いをしたかなども興味深いものです。 

 期日:Part 1   6月16日(木) 19時より(イギリス時間11時) 

         6月18日(土) 20時より( 同上   12時) 

   Part2   6月23日(木) 19時より( 同上   11時) 

         6月25日(土) 20時より( 同上   12時) 

お申し込み:info@culturetourismuk.com 

定員: 各30名 

料金: 各¥1,000 

お申し込み後の流れに関してはカルチャー・ツーリズムUKのHPからご覧いただけます。Culturetourismuk.com



5/13/2022

2年半ぶりの遠出で見たイギリスの景色

 先日、英国ライフの取材で、イングランド中央部の丘陵地帯にある小さな町Waingrovesを訪れました。車で遠出するのは2年半ぶりです。ロックダウンの期間は車にも乗らずに過ごしました。そしてロックダウンが緩和された時、ハンドルを握るのも少しためらいがち。それでもその時以来車で20分のスーパーマーケットには月に1,2回通っていました。


そして5月に入ったある日、WaingovesでWell Dressing作りが始まり、取材に行ってきました。Well(井戸)Dressing(飾り)はダービシャー州にずいぶん昔からある伝統です。水に感謝すると言う意味で、町や村の井戸、水道に飾る絵を作るのですが、その絵は花びらや豆類など植物性のものを使います。


車を運転し出してから5分ですっかり2年半のハンディキャップを取り戻し、気持ちの良いドライブの始まりです。


遠くに見える黄色の畑・・・・


それは菜の花の畑でした。


その鮮やかな黄色は目に痛いほど・・・・





「どうぞゆっくり運転してください」という看板。スピードをグンと落として景色を楽しみながら・・・



たまには車を停めて水の音を白鳥と共有。










これまでに田舎のドライブは「気持ちがいい」とは思いながら、これほどまでに癒しを感じたことはあったでしょうか?

最近キプロス島にホリデーに出かけた知人がいます。飛行機は満席だったとのこと。日本から観光客が戻られるのはいつ頃かな?と思いながらその日が来るのを心待ちにしています。こういう景色を日本の皆さんにも堪能していただきたいと、ベンチに座りながら考えていました。

さて、5月のオンライントークは、自然もさることながらイギリスで古い建物がどのようにして保存されているのか?何故古い建物が好きなのか?などイギリス人の「古いのも好きの文化(歴史好きと呼ぶほうがいいですね!)」について、ナショナルトラストなどの保存保護団体を通して皆さんと一緒に考えたいと思います。

詳しくはculturetourismuk.comをご覧ください。

第29&30回目  「古い建物を大事にする心」パート1&2

期日

 パート1  2022年5月19日(木)  日本時間午後7時より

                     (イギリス時間午前11時より)

       2022年5月21日(土)  日本時間午後8時より

                     (イギリス時間昼12時より)

 パート2  2022年5月26日(木)  日本時間午後7時より

                     (イギリス時間午前11時より)

       2022年5月28日(土)  日本時間午後8時より

                     (イギリス時間昼12時より)

 

定員:各30名
料金:各トーク¥1,000  
お申し込み: info@culturetourismuk.com