12/13/2018

ミルトン・キーンズのクリスマス

私の住む町は、日常の食料品などには苦労しませんが、クリスマス時などの特別な時は車で30分ほどのところにある ミルトン・キーンズまで出かけます。

ミルトン・キーンズはロンドンの過密化の対策として開発が行われ1961年にニュータウンとして指定されました。私は1980年代に日本からこのニュータウンを視察に来られる自治体、建築業界の方たちを時々ご案内していました。

その頃はまだ開発の途中で、いち早く住み始めた方々に意見を伺ったり、町を案内していただいたりしました。そのミルトン・キーンズがまさか30年後の私のショッピングの場になるとは思ってもいませんでした。

開発前の(1961年)人口は 5万人強でしたが、今は25万人が住み、バッキンガムシャー州では最大の町になりました。ショッピング、レジャー施設も(素晴らしい劇場もあり、ロンドンで成功したミュージカルやライヴのチケットが驚くほど安く買えます)整っています。




以前は、クリスマスのショッピングはロンドンのウェストエンドで(オックスフォード界隈)していましたが、今はミルトン・キーンズです。しかもここには私の好きなお店、ジョン・ルイスとマークス&スペンサーがショッピングモールの両端にあり、他にもロンドンのハイストリートで見かけるチェーン店はほとんど揃っていますし、屋内なので天気に関係なくゆっくり買い物ができます。

というわけで日本からいらっしゃる方々にもお勧めの町なのですが(ロンドンのユーストン駅から直行で1時間くらい)。先日、なんとこの時期に掃除機が故障してしまいました。まだギャランティーの期限内のことで、早速これを買ったジョン・ルイスに電話をしたら「新しいものと取り替えますので、すぐに持ってきてください。」とのこと。2年近く使っているのに、新しいものに変えてくれる? 流石ジョン・ルイスです。

それで、高い駐車料金を払って(この駐車料金だけは不満。1時間2ポンドなんですもの!)一番ジョン・ルイスに近い駐車場に車を停めて交換してきました。

ところが、そのジョン・ルイスの前のクリスマスコーナーが素晴らしくて、つい時間が経ってしまいました。1時間はあっと言う間に過ぎてしまいました。あわてて駐車場に戻り、後1時間追加のチケットを買って。それほど楽しかったのです。

大人の私でさえこうなのですから、子供がいたら正に夢の世界でしょうね。


クリスマスマーケットは屋外と屋内に。


























この時期はどこにでもあるサンタのグロット。洞穴の中にはサンタクロースがいて、子供たちはサンタの膝に乗せられてサンタと話をします。サンタの耳にクリスマスに欲しいものを囁いたり、時には小さなプレゼントももらえます・・・・・もちろん有料。








最近のおもちゃの値段にはびっくりです。何万円もする高級品が、あちこちの棚に勢ぞろい。なんだか複雑な気持ちです。完全にメーカーの勢いに乗せられた感じで、子供が欲しいと思う前に親が買ってしまうことも多いですね。自分でおもちゃを作る喜びなどはどこかへ消えてしまったのでしょうか?

でもミルトン・キーンズで半日無料で遊ばせた後、子供が欲しいものを一個だけ買ってあげると、それはもう素晴らしクリスマスになると思いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日の今ごろ、メイ首相の不信任投票が決まり、「えーーーー!こんな時に首相が代わってどうするの?」と驚きの朝でした。投票は12時間後。そして昨夜の9時に投票結果が発表されました。その結果200対117でメイ首相の信任が決まりやれやれ。

毎日ドキドキすることばかりです。

12/08/2018

クリスマスとブレグジット


今年のクリスマスは例年と違います。心の底から楽しい雰囲気になれません。 そう、ブレグジットのことです。

国民投票でイギリスがEUを離脱するかどうかの結果が出る直前に、北アイルランド出身の同僚とお茶を飲む機会がありました。彼はいつになく浮かない顔で、「離脱することになったら北アイルランドは大変なことになる。」と心配していました。

正直、そのころ私は離脱に関する知識もあまりなく、「離脱なんか考えられないからそれほど心配しなくていいんじゃない?」と言っていました。ところが彼の心配することが本当になったのです。

国民投票で離脱の結果が出た時に、真っ先に頭に浮かんだのはこの同僚のことでした。あれからもうすぐ2年半が過ぎようとしている現在、来年3月の離脱に向けてイギリスがどのような形でEUを離れるかについてのメイ首相とEUの代表者はやっと合意に達して一件落着・・・と思いきや、今度は合意した内容がイギリスの議会で反対が多く、大変なことになっているのです。ここ数日内でメイ首相が国会で議員を説得出来るかどうかが鍵です。今年中にはある程度合意に達し、離脱に向けて歩み出さなければいけないというのにどうもその様子が感じられません。焦りが見え出し、もしかしたらはっきりした合意もなく、このままズルズルと新年を迎えるのでしょうか?

それも、特に国民投票時にはそれほど囁かれなかった北アイルランド問題が焦点です。正に同僚が心配していたことです。アイルランドはグレイトブリテン島とは海を隔ててお隣さん同士ですが、現在は北と南に分かれていて南は共和国で(今回の離脱には直接関係はありません)、北はイギリスに属していますので離脱が決まっています。そこで北と南の間の国境を(人間だけではなく物質の移動に関する国境も含めて)どうするかが問われているのです。

じゃあ、北と南の国境をそのまま維持すればいいと思われるでしょう。ところがここに、両国間の複雑な関係があるのです。今は、北と南の間は国は別でも自由に行き来できる状態です。

1801年に成立した連合法によって、アイルランドは連合王国の(イギリス)一部となりましたが、1922年、アイルランドは独立戦争の結果、再び独立を勝ち取りました。それでもプロテスタントの北側にはUK残留希望が多く、どうなったかと言えば・・・南北が分かれることになったのです。こうして同じキリスト教徒でもカトリック教徒の多い南(アイルランド共和国)とプロテスタント教徒の多い北(北アイルランド)は別の国になったのですが、南北の合併を望む人たちとの間でいざこざが絶えず、1998年の和平合意まではテロ行為も頻繁に行われ、そのために30年の間に3000人以上が亡くなっています。

そもそもイギリスがEUに加盟したひとつの理由は(そして大きな理由)北アイルランドと南アイルランドの問題を緩和することもあったはず。今は、北と南は自由に行き来できるようになっているのが、離脱後はそれができなくなる可能性も出てきました。つまり北と南が再び完全に分かれてしまうのです。その結果、和平条約以前の問題が再び勃発する可能性も出てきます。同僚は正にそれを心配していたのでした。

そんな危なっかしいイギリスの現状ですが、確実なのはクリスマスが着々と近づいていること。「クリスマスどころではない。」というより、「こんな時だからこそクリスマスで気を晴らそう」という雰囲気です。ブレグジット問題で不安な暮らしの中、クリスマスの飾り付けを見ると、確かに少しは気が晴れるのは私だけではないようです。


先日ツアーで泊まったホテルで。









私の住む町にも。




そして私の家にも・・・・とはウソで主人が毎日行く食品店兼コーヒーショップ。









我が家は・・・・・実はまだ何もしていません。クリスマスツリーは今週末にでも。イギリスでは年に一番の祝日に当たるクリスマスです。今年は日本から妹も参加して我が家では8人が集まります。出たり入ったりで結局全員一緒の時間はクリスマス当日のクリスマスディナーのほんの数時間です。でもその数時間は家族としての一番大切な時間なので、今から準備をしなければなりません。

ブレグジットがスムースにできるように、今年中にはなんとか形になることを皆願っていますが、どうもそう簡単には行かない様子。でも心配しても仕方ありません。

12/05/2018

マフィンはマフィンでも・・・・

息子一家は毎年感謝祭をお嫁さんの実家があるアメリカで過ごします。先日も2週間の休暇を終えて帰ってきました。おみやげはいつも食べ物です。これがけっこうおもしろい食べ物を買ってきてくれるのですが、今回はマフィン。それも「アメリカ製伝統的イングリッシュマフィン」と袋に書かれています。






 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、イギリスのマフィンとアメリカのマフィンは違います。通常日本で売られているマフィンはアメリカスタイルのマフィンで、カップケーキのような形です。甘いものとセイヴォリーのものがあります。チーズマフィンなどがそうですね。

イギリスのマフィンは19世紀に、まだ各家庭でオブンがなかったころに行商人が家々を周って売っていたそうですが、今ではスーパーやパン屋さんで買ってきます。そしておやつや、朝ごはんのエッグズ・ベネディクト(マフィンを平らに半分に切ってポーチト・エッグの他ハム、またはベーコンを載せ、ホランデイズソースと一緒に食べる。このレシピは実はアメリカ由来)などで見かけるものです。昔ながらのティーショップでも見かけます。

イギリスで朝食にホテルなどで甘いものが出されるようになったのは近年のこと。少なくとも私が初めてこの国に来た時の朝食時の甘いものと言えばマーマレードくらいのものでした。

考えてみればアメリカとイギリス、国が違うだけで同じ名前でも全く違った食べ物があります。昔サウス・キャロライナに住んでいた時の私の好物はビスケットでした。でもそれはセイヴォリーのスコーンのようなものでした。アメリカではイギリスや日本のビスケットは クッキーと呼ばれます。

息子たちが結婚してすぐに、「ピーナッツバターとジェリーのサンドイッチが好物」と聞いて、「ハー?」と思ったことがありますが、彼女の言うジェリーとはジャムのことでした。アメリカではイギリス伝統のデザートとして昔好まれたジェリーはジェロ(Jello-O)
と言うそうです。同じ英語を話すイギリスとアメリカでも私とお嫁さんは知らないうちに全然違う食べ物のことを話しているということがよくあります。

さてアメリカからわざわざイングリッシュ・マフィンを買ってきた息子たちは、「アメリカのイングリッシュ・マフィンはイングランドのマフィンより美味しいんだから。」と。どれどれ。今朝朝食に食べてみました。確かに違う。アメリカの方はもっと厚くて、少しねちょねちょしています。イギリスの物はもっと軽くてさっぱりしています。

アメリカのイングリッシュ・マフィン





イングランドのイングリッシュ・マフィン




 うーん、やっぱり私はイングリッシュのほうが・・・・・

ここ数日、一気に冬がやってきました。今日は3時前から暗くなり始め、家の電気をつけました。こういう時は、ギリシャやイタリアなどで撮影されたドラマを見て気持ちを盛り上げます。イギリスの冬はそれはそれでまた私は好きですが、やっぱり時には明るい太陽と真っ青な空のことを思い出したくなります。




12/04/2018

マーマレードツアー その2

湖水地方から一気に南下して、オックスフォードに近いデンマンへ。ここではヴィヴィアン・ロイド女史のマーマレード講座を受けました。当初はツアー専用のクラスでしたが、人数が減ったために急きょ一般募集をかけておひとりが参加されました。合計3名の贅沢なクラスです。

まずは夕食後に、翌日のレッスンのための先生のデモンストレーションです。




 そして翌日。今回のクラスは「おいしいマーマレードにはおいしいトーストを」と題して2種類のパンを習いました。





「パンのこね方は3種類」と言われ、初めてのこね方を学ぶ生徒さん。




 作品は日本へのおみやげに。




 急きょ一般参加したジュディスさんは、「他のクラスに出たのでついでにこのクラスに来たの。」と。他のクラスで作ったペーパーリボンのカードをお茶の時間に見せていただきました。彼女はなんと以前、保存食のクラスで一緒だった方でした。半年ぶりの再会です。前回はご主人と一緒に、そして今回もマーマレードが好物のご主人のために参加されました。


それはそれは素敵な手作りの立体カードにツアーのお二人も日本に帰られたら挑戦すると、デンマンの売店でキットを買われました。




余談ですが、今回のデンマンでのヴィーガン食は格別でした。ナスが好物なのでナスのラザニアはうれしいサプライズでした。




デンマンで2泊した後は、ロスチャイルドの家へ向かいました。今はナショナルトラストが管理しているマナーハウス、ワズドゥン・マナー(Waddesdon Manor)はこの時期、100件くらいのクリスマスマーケットのお店が出ています。


素晴らしいお天気に恵まれ、駐車場からバスで行くにはもったいないと 15分の道を歩くことにしました。




館は1870年代にロスチャイルド男爵が、彼の芸術コレクションを飾ったり、友人たちをもてなす目的でフランスのスタイルで建てました。














 クリスマスマーケットでは食料品、ファッション、デコレーションなど色々なものが売られていました。ここでは最後のお土産ショッピング。



















こうして4泊5日のマーマレードツアーは終了しました。ロンドンに戻る前に、ワズドゥン・マナーのゲートを出たところにあるFive Arrows Hotelでクリスマスランチをいただきました。名前が示す通り(5本の矢)、ここはロスチャイルド男爵がワズドゥン・マナーで働く建築家や職人のために建てたものです。


銀行家として財を成し遂げたロスチャイルド一族の創始者がロンドン、パリ、フランクフルト、ウィーン、ナポリに配置した5人の息子を表す5本の槍がこのホテルの名前の由来です。現在でもロスチャイルド家の紋章にはこの槍を握る腕が描かれています。





ターキーに詰め物、クランベリーソース、ローストポテト。そしてPigs in A Blanket。「毛布に巻かれた豚」とはベーコンで巻かれたソーセージのことです。




こうしておふたりのお客様とはロンドンでお別れしました。「とても中身の濃い5日だった」とお二人にはご満足いただけたようで何よりです。私にとっては今年最後のツアーになりました。これからはガイド業は冬眠期に入りますが、来年のツアーのご相談も始まりました。来年がまたまた楽しみです。

12/01/2018

マーマレードツアー  その1

ブリティッシュ・プライドと共同で企画したマーマレードツアーは、最終的にお申し込みは2名様だけとなりました。昨年のクリスマスツアーの時はやはりお申し込みが最小催行人数に満たず一旦キャンセルになたものの、お申込みいただいた方から「行きたかったー。」という残念そうな声を聴いて、もう一度仕切り直しをして催行しました。

今回も申し込みされた 2名の方、そしてそれぞれの訪問個所で受け入れてくださる方々も楽しみにしてくださっていることもあり、移動手段、日にちを一日増やす以外はそのままの行程で催行することにしました。お二人のご了承を得て今日はツアーの報告をします。

人数が少なくなったので、専用バスの代わりに私がドライバーガイドとしてご案内しました。第一日目。湖水地方に向かう途中で思いがけず素敵なファームショップを見つけました。質の高い食料品 にショッピングムードがすでにスタート!







ツアーの最初の目的地は交渉の末、やっと実現したアイヴァン・デイさんの家です。国際的な食の歴史家として知られる彼の家は17世紀に建てられた農家です。13歳から始めたコレクションを見せていただきました。食に関する昔の絵画や本などお宝の数々・・・・











 昔ながらの方法で一緒にアイスクリームを作りました。暖炉のある暖かい部屋から庭に出て。冷凍冷蔵庫もなかった18世紀は、寒いところで作らなければならなかったのでしょうね。マーマレードの語源になったマルメロを入れた昔風のアイスクリームはどんな味?











やはりマーマレードを使ってアイヴァンさんが作ってくださったブレッド&バタープディングに添えていただいたアイスクリームは格別でした。

時代物映画やドラマでのテーブルセッティングや、そこに載せる料理を担当したり、世界中の博物館の特別展示のデザインなどで忙しくしていらっしゃるアイヴァンさんから直接レクチャーを受けられたことにお二人とも大感激。

次に向かったのは世界マーマレード・アワードの開催地であるダルメインの館です。館の奥様であるジェインさん自ら、プライベートのキッチンでマーマレードの手ほどきを。




昔のキッチン用具がそのまま並んでいます。マーマレードの皮を切る機械も。




出来上がったマーマレードは日本へのおみやげに。




キッチンにはヘイゼル・マコッシュ家の一員のドラの特別な場所がちゃんとありました。




ジェインさんのご家族と楽しいアフタヌーンティのひと時です。アンティークの食器が実によく合いました。




ジェインさん自ら案内してくださったセント・アンドリュース教会はヘイゼル家が建てたもので、ご先祖様が埋葬されています。




大昔の鍵を使ってドアを開けるジェインさん。




終日私たちのために費やしてくださったジェインさんに感謝です。特別な一日でした。

湖水地方を後にして、一行は次の目的地デンマンに向いました。また次のブログで報告させていただきます。

注)12月のはじめ、去年テレビ放送されたNHK番組のダルメインの暮らしに関するドキュメンタリーが再放送されるそうです。見逃した方は是非ご覧ください。