6/07/2022

プラチナ・ジュビリーのイベント ウィンザーのBig Lunch

 女王即位70周年を祝うために特別に設けられた4日間の連休が終わり、エキサイティングなさまざまなイベントに参加して、今日あたりからそろそろ元のイギリスに戻りつつあります。

とは言ってもイベントは終わっても、お祭り気分は相当長く続くかもしれません。我が家の隣村のパブです。





我が家の前の道でもストリート・パーティ(Big Lunch)が企画されましたが、近所にご不幸がありキャンセル。それでも町の中心にある植林園ではピクニックと共に歌と踊りのお祭りが行われました。





日曜日はウィンザー城のロング・ウォークで行われたBig Lunchに参加。このBig Lunchは皆が食べ物やドリンクを持ち出して、ご近所の人たちと一緒に過ごすもので、2009年にコミュニティの絆を強めるために始まったイベントです。

昔と違い、今の人々はあまりに忙しい生活をしているからかもしれませんが、近所の人たちと過ごす時間が少なくなっています。イギリス人って最初はとっつきにくいところがあるかもしれませんが、実は楽しいことが大好きな国民であることは、このようなイベントに参加するとよくわかります。

今年は全国で1000万人が全国各地で開催されたBig Lunchに参加したと報道されていました。

私は今月の英国ライフに掲載される記事の取材を兼ねて行ってきました。場所はウィンザー城の女王様のプライベートの出入り口に続く一本の長い道ロング・ウォークです。そこに設置された488人が座れる長いテーブルは800メートル。

テーブルは無料で予約できるのですが、予約受付とほとんど同時に満席。私は芝生の上でピクニックを楽しみました。








ホームメイドのランチ、ケーキ・・・・・装いも思いっきり派手に、そして家族や友人たちと過ごす時間は特別です。今生きている人にはおそらく二度と経験できないであろうプラチナ・ジュビリーです。

今回のイベントの一つ一つからエリザベス女王に対する国民の絶大な人気を感じました。国民にとっての、エリザベス女王の存在、また女王に対する感謝の気持ちが身に沁みて感じられました。

それは1947年、彼女が21歳の時に(イギリスでは21歳で成人になる大切な年)イギリス国民と英連邦の人々に向けたメッセージから読み取れます。



「私は、私の全生涯を、例えそれが長かろうが短かろうが、あなた方と我々の全てが属するこの偉大な、そして威厳のある国家に捧げる決意であることを、ここに宣言いたします。」


そのメッセージから今年で75年目。国民との約束を75年間守り続けている女王様には国民は感謝の気持ちを込めてプラチナ・ジュビリーを祝っています。


オリンピックの開会式で映し出された動画を覚えていらっしゃいますか?、女王様がジェイムズ・ボンドと共演した際にヘリコプターから飛び降りたあの動画・・・・

それに続いて第二弾が今回のパディントンベアーと一緒にアフタヌーンティを取る動画ですご家族にも内緒で撮影されたというこの動画は最高で、パディントンベアーは国民の気持ちを見事に女王様に伝えてくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=7UfiCa244XE



さて、6月のオンライントークはプラチナ・ジュビリーに因んだお話です。ご興味のある方は是非ご参加ください。


第31&32回目  「エリザベス2世プラチナ・ジュビリー~その1&2」 

 今年2月、英国君主として史上初の即位70周年を迎えられたエリザベス2世。これまでに迎えられたシルバー・ジュビリー、ダイアモンド・ジュビリーを通してイギリスの移り変わりを見てみましょう。 

それに加え、イギリスで長く君臨したジョージ3世、ヴィクトリア女王のジュビリーに関してのトークをします。それぞれの時代でゴールデン・ジュビリー、ダイアモンド・ジュビリーを国民はどのようにお祝いをしたかなども興味深いものです。 

 期日:Part 1   6月16日(木) 19時より(イギリス時間11時) 

         6月18日(土) 20時より( 同上   12時) 

   Part2   6月23日(木) 19時より( 同上   11時) 

         6月25日(土) 20時より( 同上   12時) 

お申し込み:info@culturetourismuk.com 

定員: 各30名 

料金: 各¥1,000 

お申し込み後の流れに関してはカルチャー・ツーリズムUKのHPからご覧いただけます。Culturetourismuk.com



5/13/2022

2年半ぶりの遠出で見たイギリスの景色

 先日、英国ライフの取材で、イングランド中央部の丘陵地帯にある小さな町Waingrovesを訪れました。車で遠出するのは2年半ぶりです。ロックダウンの期間は車にも乗らずに過ごしました。そしてロックダウンが緩和された時、ハンドルを握るのも少しためらいがち。それでもその時以来車で20分のスーパーマーケットには月に1,2回通っていました。


そして5月に入ったある日、WaingovesでWell Dressing作りが始まり、取材に行ってきました。Well(井戸)Dressing(飾り)はダービシャー州にずいぶん昔からある伝統です。水に感謝すると言う意味で、町や村の井戸、水道に飾る絵を作るのですが、その絵は花びらや豆類など植物性のものを使います。


車を運転し出してから5分ですっかり2年半のハンディキャップを取り戻し、気持ちの良いドライブの始まりです。


遠くに見える黄色の畑・・・・


それは菜の花の畑でした。


その鮮やかな黄色は目に痛いほど・・・・





「どうぞゆっくり運転してください」という看板。スピードをグンと落として景色を楽しみながら・・・



たまには車を停めて水の音を白鳥と共有。










これまでに田舎のドライブは「気持ちがいい」とは思いながら、これほどまでに癒しを感じたことはあったでしょうか?

最近キプロス島にホリデーに出かけた知人がいます。飛行機は満席だったとのこと。日本から観光客が戻られるのはいつ頃かな?と思いながらその日が来るのを心待ちにしています。こういう景色を日本の皆さんにも堪能していただきたいと、ベンチに座りながら考えていました。

さて、5月のオンライントークは、自然もさることながらイギリスで古い建物がどのようにして保存されているのか?何故古い建物が好きなのか?などイギリス人の「古いのも好きの文化(歴史好きと呼ぶほうがいいですね!)」について、ナショナルトラストなどの保存保護団体を通して皆さんと一緒に考えたいと思います。

詳しくはculturetourismuk.comをご覧ください。

第29&30回目  「古い建物を大事にする心」パート1&2

期日

 パート1  2022年5月19日(木)  日本時間午後7時より

                     (イギリス時間午前11時より)

       2022年5月21日(土)  日本時間午後8時より

                     (イギリス時間昼12時より)

 パート2  2022年5月26日(木)  日本時間午後7時より

                     (イギリス時間午前11時より)

       2022年5月28日(土)  日本時間午後8時より

                     (イギリス時間昼12時より)

 

定員:各30名
料金:各トーク¥1,000  
お申し込み: info@culturetourismuk.com
 


4/13/2022

ロボットの宅配

 フットボールやラグビーの試合が始まるときに、リモコンで操作されたミニチュアの車でボールが運ばれてくるのを目にしたとき、「こんな車が私の代わりにショッピングしてくれないかなー。」と思ったものでした。

まさか、それが現実になるとは思ってもいなかったことです。イギリスで初めて宅配ロボットがお目見えしたのはミルトン・キーンズ近辺で3年くらい前だったと思います。コンビニのコープ(生協)とスターシップと言うロボットの製作会社が共同でおこなっているものです。



 

その後、私の家から車で20分ほどのブレッチリーにも登場。それがあまりに可愛らしく、そして賢いロボットで、ちょっとの間ですけど後をつけてみました。





そうしたらなんと、安全なところで道を渡り、安全歩道では車が来ないかどうかを確認した後で横断。どうしてロボットがここまで出来るのか不思議です。人間より賢くて安全。

その後パンデミックで、このロボットは大活躍。何せ二酸化炭素排出量がゼロとあっては地球環境にも良く、パンデミックが終わってもこの宅配ロボットを利用する人が増加しているとか。注文してから平均20分くらいで、到着するそうです。

先日のテレビで、ロボットが人間に好かれるようにロボット制作会社はロボットの顔の表情を研究していると報道していました。

この宅配ロボットには顔はありませんが、6つの車を付けて歩く(?)姿は十分愛嬌があります。私の住む町にも小さな生協があるので、宅配ロボットがお目見えした際は是非お願いするつもりです。

3/11/2022

コロナ・ウクライナ・・・・そしてクラフツ

 こんなに春の訪れを待ちわびたことがあったでしょうか?コロナ渦に続き、ロシアのウクライナ攻撃でニュースが続きます。


でも、春は確実にやってきています。毎日散歩に出るたびにクロッカスや桜が花開く様子を見ると、一瞬世界で今何が起こっているかを忘れさせてくれます。










そして今日。今日からイギリスで最大規模の犬の品評会であるクラフツが始まります。ご近所で仲良くしている方は2匹の犬を飼っていて大の犬好き。3匹目を飼うことも考えているとか。彼女が毎年バーミンガムまで出向くのはこのクラフツに行くためです。

実は私はだいぶ前に10年ほど日本の犬好きな方を毎年クラフトにご案内していました。ところが行くたびに気持ちが重くなってくるのです。お客様とも気が合って楽しく仕事をしていたのですが、行くたびに気持ちが鬱になって来て、結局この仕事をやめました。クラフツに出展(?)する犬のブリーダーたちを審査する審査員は、英国ケンネル協会が設定するそれぞれの犬種の理想の形を基礎として判定します。





「耳が大きすぎ」「頭が小さすぎ」「足が細すぎ」・・・・・犬の健康には全く関係のないことで判定するのですから、その意味が解りません。

私が仕事をしていた時はクラフツの実況中継をBBCが毎年行っていて人気がありました。ところが同じBBCがクラフツに関するドキュメント番組を制作して多くの人がショックを受けました。キング・チャールズ・スパニエルは頭蓋骨を小さくするためにブリーディングされ、脳みそがはちきれんばかりで、その痛みから狂ったように死んでいく犬。その数は少ないとは言え、ブリーディングに問題があることは間違いありません。

その後、BBCは50年続いたクラフツの実況中継をやめました。それでもクラフツは現在でも他のチャンネルで放映されています。

人間の判断で良いとされるブリーディングのせいで、犬の体形は変わっています。イングリッシュ・ブルドッグは息をすることに問題が出て来て、また交配も難しく、ダックスフンドは脊髄に痛みを訴える場合が多いそうです。

クラフツでも、品評会だけではありません。例えばアジリティの競技は見ていて犬の賢さに驚くばかりです。指導する人と犬がぴったり息を合わせて走ったり飛んだり、くぐったりする競技ですので犬も楽しそうです。





クラフツは品評会より、このように人も犬も一緒に楽しめることに専念できないものでしょうか?






3/10/2022

ウクライナをサポート。

コロナ渦が始まってから初めてロンドンの博物館に行って来ました。パスポートを更新する際にロンドンに出たついでに、ナショナル・ギャラリーには2回行きましたが、見学目的で行ったのは昨日が初めてです。

今月のオンライントークではヴィクトリア&アルバート博物館の中でも特にブリティッシュ・ギャラリーをパート1と2に分けてお話ししますが、それでも1500年から1900年までを網羅するのは無理ですから、今回はできるところまで・・・・・半分くらいかしら?続編はまたいつか・・・・




V&Aを正面からご覧ください。



ウクライナの旗です。一昨日は、イギリスの国会でゼレンスキー大統領がリモート演説を行いました。他国の君主がイギリスの議会で発言するのは初めてのこと。「最後まで戦い続ける!」と厳しい表情で誓った大統領に大きな拍手が送られました。


一昨日は小児、妊婦の病院が攻撃され、6歳の子を含む何名かが亡くなったと聞き、人はどこまで鬼になれるのか?と怒りと悲しみに襲われました。ロシア軍と戦うために妻、子供、親と離れて戦場に向かう男たち。そしてこれから多くの女、子供が未亡人、孤児になっていくことを想像しただけでも身の毛がよだつ思いです。



2/26/2022

春の兆し

 早いもので、2月も終わりです。先日の強風では我が家は庭に被害が出ました。最初小鳥の巣が吹き飛んで「おや、まー」と思っていたら次々に庭の家具が飛ばされました。幸い鳥が住んでいなかたのでよかったのですが、最後には塀が一枚、二枚・・・・・


塀の修理をしてくれる職人がやってきましたが、半日で50件の予約がはいったとのことで、実際に修理が完成するのはいつのことでしょう?




そんな中、春は確実にやってきています。これから散歩が益々楽しくなる季節です。



家の前に数年前に植えたスノードロップ。



そして昨年お隣さんからいただいた50個のミニ水仙の球根は今見事に咲きだして、とても可愛らしいです。



コロナが少しづつ落ち着いてきたと思ったら、今度はロシアのウクライナ軍事進攻です。暗い気持ちはいつになったらパーッと晴れるのでしょう?テレビのニュースでは難民としてポーランドや他の国に移動する人が映し出され、お気の毒でなりません。ロシアの人にとってはウクライナの人々は兄弟のようなもの。親戚もいる事でしょう。ロシアの人も、望んでいない戦争です。


「来年こそは、平和で安全な世界になりますように。」と迎えた2022年は、初頭から暗い影が差し始めました。今こそ、強く、今までにも増して世界平和を祈る気持ちでいっぱいです。


さあ、今日は2月最後のオンライントークです。今月は「お茶とビスケット」についてPart1とPart2に分けて行いました。旅行もできない今、こうして日本の方々と繋がっていることは、私にとっては掛け替えのない時間です。トークの後はビスケットとお茶と共に参加者とのおしゃべりが楽しみです。













1/26/2022

新年のご挨拶

 新年のご挨拶がすっかり遅れてしまい、申し訳ありません。

2021年はパンデミックの影響で自由に行動することが困難な年でした。今年こそは家族や親しい人といつでも会える年になりますよう祈らずにはいられません。

そんな中で、今日は悲しいお知らせをしなければいけません。私の英国での親のような存在だったメアリーが亡くなりました。皆さんのなかでもメアリーをご存じの方々が多くいらっしゃいます。全ての方々に直接お伝えすることができませんので、下記の手紙を共有させていただきます。


皆様

 

今日は悲しいお知らせがあります。

メアリーが亡くなりました。

 

2週間前にホームに入られたのですが、23日夜から意識を取り戻さずに24日午後4時に(日本時間25日午前1時)帰らぬ人となってしまいました。

昨日はお孫さんのBelindaさんと彼女の思い出話をしました。いつも笑顔で、誰にも親切なメアリーでした。教会や村のチャリティ活動にはいつも惜しみなくエネルギーを最大限につぎ込んでいました。シェフの資格も取得したというお料理の腕はご存じの方もいらっしゃると思いますが、温かさが籠った家庭料理でした。

 

お父様が牧師さんでしたから、教会のボランティアは特に熱心でした。結婚式やお葬式があるときは、教会内にいつもお花のアレンジに行っていました。そういう彼女の好きな白い百合が、キリストの母の聖母メアリーのシンボルだったことも偶然ではないかもしれません。誰にとっても母親的な存在の人でしたから。

 

私がメアリーと初めて出会ったのは1997年の秋です。ヘレフォードにある小さな村アリングズウィックでホリデーを過ごした後、ロンドンに帰る前に村の教会を訪れたときのことです。教会で友人とお掃除をされていたのがメアリーでした。「掃除機の音がうるさくてごめんなさいね。」というのが彼女の最初の言葉でした。そして歴史好きのメアリーが「特別なものをお見せしましょう。」と祭壇にかかる布を持ち上げたところ、祭壇の横に描かれていたのが19世紀に描かれた沢山の天使の絵だったのです。古い建物、特に有名ではない田舎の教会を訪れるのが好きな私とメアリーはこうして出会い、20年以上親しくお付き合いをさせていただいていました。パンデミックで会いに行くこともできない状況が続きましたが、電話ではお互いの近況報告をしていました。

 

それからは、メアリーと、ご主人のフランクは私のイギリスでの両親的な存在になりました。「イギリスの田舎に興味のある日本の方がいらっしゃったらいつでもお連れしてね。」とおっしゃっていて、これまでに友人、親せき、お客様を数えきれないくらいご案内しました。特に私の両親は同年代のメアリーとは言葉は通じなくても、気持ちが通い合っていて楽しい時間を何度も一緒に過ごしました。

 

フランクが亡くなった後は、娘さんがいらっしゃるミッドランドのカルワースという村に引っ越し、おひとりで住んでいらっしゃいました。いつも来客があった時のために自家製のビスケットを用意していて、紅茶と共に出してくださいました。中でも生姜とチリのビスケットは私の好物となり、今でも彼女のレシピ通りに作っています。

 

まだまだ思い出は尽きません。メアリーとの思い出が、これからも皆様の心の中で小さな灯となって灯り続けていくことと思います。

 

もし皆様のお知り合いの方で、メアリーをご存じのお友達がいらっしゃいましたらこのメールの内容をお伝えいただければ幸いです。

 

メアリーに感謝を込めて。

 

木島タイヴァース由美子




ご冥福をお祈りします。