3/14/2018

ブレッチリー・パーク・・・・・・政府暗号解読秘密センター

第二次世界大戦中、主にドイツの暗号解読秘密センターが使っていたブレッチリー・パークに日本から来た友人と行ってきました。パークという名前から「公園」を想像する方が多いでしょう。でもそれは名前だけ。それまであった立派な館が壊された後1877年土地を買ったセッカムという人の時代に名前がブレッチリー・パークとなったようです。多分それは、とてつもなく広い敷地(580エーカー=71万坪)の故でしょう。




ドイツの暗号機エニグマの解読を行うためにボム(Bombe)の開発(41歳で謎の死を遂げた天才数学者アラン・チューリングが開発。)に成功した場所で、最高1万人以上が働いていたにも関わらず秘密活動をしていたところです。

エニグマの暗号組み立ては159,000,000,000,000,000,000の方法あると言われ、Unbreakable(解読不可)と言われていたものです。

ブレッチリー・パークに到着後、思ったより高い入場料を支払った際に「この切符は一年有効ですからいつでもきてください。」と言われ、日本からきた友人は「そう言われても簡単に来ることはできないなー。」と。

でも中に入って納得。これは一日ではとても見切れませんし、どんどん新しい展示などが加わっている様子です。二日あっても足りないみたい。




ベネディクト・カンバーバッチ主演の「イミテーション・ゲーム」やケイト・ウィンスレット主演の「エニグマ」の映画にもなったブレッチリー・パークはできればツアー(無料)に参加してください。ガイドブックに書かれていないおもしろいお話もしてくれました。(「イミテーションゲーム」は特に素晴らしく、カンバーバッチの演技に心打たれました)























ブレッチリー・パークでは特に日本の暗号解読も試みられました。展示室ではその時の様子も理解できます。解読した人は数週間で日本語をマスターした?と、確か書かれていた気がします。非人間的な頭脳を持った人たちがイギリス中からリクルートされて集まった正にイギリスの頭脳の中心部という感じです。

エニグマの解読に成功した事実は第二次世界大戦の期間を少なくとも2年は縮小したと言われますがその反面、大空襲が行われ大きな被害を受けたコヴェントリーの町では暗号の解読に成功したにも関わらず、それをドイツ軍に知らせないように隠しておいた当時の総理大臣チャーチルの決断に不満の声もあります。

また暗号解読の功績は、イギリスではなくまずポーランドにあるし、アメリカがコンピューターを初めて開発したのも誤り、イギリスではすでに戦時中に最初の電子コンピューターがブレッチリーで作られている・・・・・などおもしろい発見が色々あります。

4時間の訪問ではとても見切れませんでした。でもブレッチリー・パーク自ら4月にはブルーバッジガイドのための特別ファミリアライゼーションを企画してくれたので、参加を楽しみにしています。数学、コンピューターに関しては全く知識のない(興味もない)私でさえ充実した時間を過ごしましたので、きっと皆さんにも良い一日となるでしょう。

昨日、英国が生んだ「車いすの天才科学者」「アインシュタインの再来」などと言われ、‛ ブラックホール’や宇宙に関する発表でも知られる理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士が亡くなりました。科学に直接は関係のないことでも彼の発言には注目する人が多く、安楽死についてもこう語っています。「個人が希望するなら安楽死の権利は認めるべき。ただ個人的には残念に思う。どんなに人生がつらくてもその人にできることは必ずあるし、成功する。生きている事実がある限り、希望もある。」

ブレッチリー・パーク  https://www.bletchleypark.org.uk/