11/13/2014

「アガサ.クリスティとコーンウォールのツアー」  その2

さあ、ツアー4日目、いよいよコーンウォールに向けて出発です。こんなに親しくなったアガサ(?)に別れを告げて一路西へ西へとバスの旅は続きます。途中、昼食時に立ち寄ったのはTruroのシャーロッツ.ティーハウスです。人気のティールームなので予約をしたのは正解でした。満席の中、町や聖堂が見渡せる最高の席をいただきました。(写真では、ティールームの看板のすぐ下の2階の出っ張った部分)


 
 
ここに来たらいつもいただくのがコーンウォールのブルーチーズとクルミのチーズトーストです。ブルーチーズとクルミと洋ナシの組み合わせが絶妙です。
 
 
 
 
ここではでゆっくりしたかったのですが、先を急がなければいけません。階下にあるアンティークショップをちょっと覗いて再びバスで西に向かいます。途中セントマイケル.マウントの対岸で写真ストップ。バー島と同じく、潮の満ち引きで本土から離れてしまうこの島は1066年のノルマン人によるイングランド征服直前に、フランスのモンサンミッシェルのベネディクト修道会に譲渡されます。霧の中に見えるセントマイケル.マウントは幻想的で
素敵でした。時間があったら是非見学していただきたいところです。
 
 
 
 
 
次はミナックシアターです。断崖絶壁に立ち、ローマの円形劇場を思わせるこの劇場は1900年初期まではエニシダが茂る荒れ果てた土地でした。そこに劇場を建てたのはロウィナ.ケイドというひとりの女性でした。彼女は、50年という年月をかけ、数人の助けを除いてほとんどひとりで金銭面から石を積む労働にいたるまで貢献しました。今では英国のトップクラスの俳優たちがこぞって演じるユニークな劇場となっています。興味のある方は、是非ウェブサイトをご覧ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
到着した時にはうっすらベールがかかっているほどの霧でしたが徐々に濃くなってきました。次の目的地は西の果て、ランズエンドです。車から降りた途端にどこが果てかわからないくらい濃い霧に包まれてしまいました。
 
 
 
 
 
 
道標のところは以前は写真屋がいて写真をとっていましたが、この日は霧が深く、「写真にもならない」と思ったのか、道標はぽつんとひとりで立っていました。(本当は私はこのほうが好き)
ここから
ニューヨークまでは3147マイル。日本まではどのくらいかなー?
 
 
 
 
英国では、よくチャリティ活動の一環で「ジョン.オーグランツからランズ.エンドまでサイクリング、ウォーキング」など行なっています。ジョン.オーグランツとはスコットランド本土の真北にあるところ。つまり日本で言えば日本縦断と言うことなのですが、道標によるとここから874マイル(1マイルは1,6キロ)とあります。もちろんランズ.エンドからジョン.オーグランツに行く人もいるわけで、ここがスタートとゴール地点の両方になるということです。この石の裏側はStart地点です。
 
 
 
 
ゴール地点で私たちを待つ、今回の最高に良かった
運転手のイアンです。
 
 
 
 
こうして「霧の中のランズエンド」をモニャモニャと歩いた後は一挙にその日から2泊することになるセント.アイヴズに向かいます。日も暮れてチェックインした後は部屋で夕食までの時間をゆっくりすご過ごしました。
 
翌日はまずバーナード.リーチの工房であったポッタリーを見学。1920年にリーチが濱田庄司と共に築いた工房です。
 
 
 
 
 
 
その後テート美術館やバーバラ.ヘップワースの住んだ家を見学しました。ヘップワースの家では彼女の彫刻が並べられた庭を散歩しました。自然の植物とヘップワースの作品がお互いに美しさを更に補って、ここには何とも言えない素敵な空間が沢山あります。
 
 
 
 
この日は10月も終わりと言うのに暑い日でした。テート美術館の下の砂浜ではなんと泳いでいるひとも。コートにマフラーの私たちは、人から言われるまでもなく自分で異様に感じていました。もちろん次第にコートもマフラーもとって薄いセーターだけで海岸を散歩しました。気持ちの良かったこと!岬の丘に登るまでは......
 
 
 
 
丘の上に登ったら風が強い。あわててコートを着て、帽子も飛ばないように。
 
 
 
 
丘の上には聖ニコラスに捧げたチャペルがあります。
 
 
 
 
チャペルの中にガイドらしき人がいました。「リーチ工房には行きましたか?」と話しかけてきたのですが、「ほら、その人の足の下にリーチが作ったタイルがありますよ。」 えっ?足の下に?タイルの上に立っている人に「ちょっとのいてください。」とも言えず、彼女が動くまでじっと我慢。そしてついに現れたのがこのタイルです。本当かなー?本当にバーナード.リーチの作品なのかなー?と半信半疑。もし本当にそうであったなら、このように人の歩く場所に置きっぱなしにしておくかしら?お客様も私も思わずウーン!と唸ってしまいました。
 
(ガイドも時には間違ったことを言うことは、ガイドである私が一番良く知っています)
 
 
 
 
 
セント.アイヴズでの最終日の半日は皆さん自由行動。芸術家の町というだけあって、おもしろいおみやげも手に入れたようです。私はと言いますと、本当はリーチ工房に戻って小さな器でも買おうかしら?とも思いましたが、午前中の工房、美術館めぐり、砂浜の散歩、丘の登山(おおげさですが)で、かなりくたくた。翌日ロンドンにもどるための列車の切符の確認などをして早目にホテルに戻りました。
 
翌日は、しっかり朝食をとった後、タクシーでセント.アイヴズの駅へ。一等車と聞いていたのですが、座った席がどうも普通っぽい。早目に気が付いて良かったです。トーキーの駅で予約した指定席はなんと二等車の席でした。早く気がついて良かった!
 
早速一等車に移動。なんと言う違い!正に飛行機のファーストクラスのような快適さでした。
 
 
夕方ロンドンのパディントン駅に到着。この日はホテルに直行の予定だったのですが、「テレビに写し出されるポアロの住むマンションを見てみたい。」というお客様のご要望で、ワールドブリッジ社が特別手配してくれたバスで東にあるチャーター広場に直行しました。
 
ああ、ここです、ここです。いつもいつも見ているポアロのマンション。私もお客様に言われるまでは、このマンションがここにあることも知りませんでした。(提案して下さったポアロさんに感謝)
 
 
 
 
 
 
こうして「アガサ.クリスティ.カントリーとコーンウォールを巡る旅8日間」は終わりました。アガサ.クリスティは私も大好きです。トーキーに行く度にミス.マープルとポアロが更に身近に感じられるから不思議です。まるでふたりとも実在した人のようです。いいえ、もしかしたら実在したのかもしれません。少なくともアガサファンにとっては。ふたりにSee you soon.と言いながら次のツアーがまたまた楽しみになってきました。