2/16/2016

一年中お花見。

昨日はヘンリー.オン.テムズ(Henley on Thames)近くに用があったので、その前に寄り道をしてナショナル.トラスト所有のグレイズ.コート(Greys Court)の花を見に行きました。今頃お花見? そうです。 冬と春の間の この時期はスノードロップ、ウィンターシクラメン、水仙などがまだ冬眠中の草花の中から元気に顔を出し、その可憐なこと!

グレイズ.コートはチルタン地方にあるチューダー王朝時代のカントリーハウスです。ここの歴史は古いと言ってもものすごく古く、最初の荘園主はなんと1066年にイングランドを征服したウィリアム1世と一緒にノルマンディーからやって来た騎士アンキティル.ドゥ.グレイの持ち物だったことに由来します。その名前が今のグレイズ.コートに残っているというわけです。

私は過去何度もここを訪れていて、特にブルーベルの時期はほとんど毎年行くのですがいつも建物の中を見学する時間が合わなくて一度も入っていません。今回もツアーに参加しなければ見学できない時期で、昨日はその時間がありませんでした。それでお庭だけ見て、昔牛小屋だったティールームでお茶とケーキをいただいてヘンリー.オン.テムズに向かいました。

チルタン地方のなだらかな丘陵を眺める少し小高いところに建つ邸宅(マンション)です。
 
 
 
 
 


建物は16世紀のチューダー朝時代に建てられましたが、内部は1930年代ブラナー卿夫妻が4人の元気な男の子たちと住んでいた頃の内装です。
 






庭は石や煉瓦の壁に囲まれたウォールドガーデンです。
 
 
 
 
 
 
この建物が建つ前はお城が建っていて、その部分が少し残っています。この12世紀の塔もそのひとつ。
 
 
 
 
 
900年の時代の中で築かれた城壁や庭を囲む壁。そこに、ここ100年くらいの間に置かれた新しいガーデンオブジェがしっとり溶け込んでいい感じです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お花を植えなくても、ただこうやって置いておくだけで存在感がある昔の煙突。
 
 
 
 
 
 
昔の煉瓦の壁はいつ、どこで見てもうっとりするくらい味があります。
その壁にまるで額縁のように掛けられた棚には花が開くのを待つポットが並べられて。
 
 
 
 
 
クロッカスが一輪だけ咲き出したようです.....
 
 
 
 
と思いきや、木のドアを開けて次のガーデンに入った途端に目に入ったのは....
 
 
 
 
 
スノードロップ、水仙、ウィンターアイリス、クロッカス、ウィンターシクラメン....クラクラッときそうなほど鮮やかな色でしかもみんな体が小さくて可憐です。
 
 
 
 
 
 
土手のところにひとつだけ咲いていた真っ白いプリムローズ。
 
 
 
 
 
クリスマスローズもまだまだ健在です。
 
 
 
 





スノードロップの白いカーペットも。
 
 



今年は随分早く咲き出した水仙は、どんなに陰になっているところでもまるで太陽のようにパーッと明るくしてくれます。
 
 




売店の前のワゴンにはポットに入った花が売られています。





4月の終わりにはブルーベルが咲き始めるでしょう。そしてそれが終わると今度は藤です。この藤がどのくらい古いのか、正確には誰もわかりませんが、120年くらいは経っているだろうと言われています。そのコブだらけの樹からそれはそれは美しい藤が垂れ下がるのは例年ですと5月の中ごろです。




次回の訪問はブルーベルの時期になると思いますが、今度は時間をたっぷりとってチューダーマンションの中も見学して来ようと思います。

そうそう、ここはテレビのアガサ.クリスティのポアロのドラマで撮影に使われました。また‘ダウントンアビー’ではメアリーとマスューが新婚生活を送るための新居を探しているシーンでも使われています。