8/19/2014

丘陵地帯ツアー 

日本の方に‘湖水地方’と言えば、「ああ、ピーターラビットのお故郷ですね」とか、「ああ、ワーズワースの詩で知っています」とか何かの反応がありますが、‘丘陵地帯’と言えば「一体それはどこですか?」と必ず言われます。

 
今回のお客様はリピーターの方おふたりで、コッツウォルズを経由して丘陵地帯と東イングランドにご案内することは、随分前に決まっていました。私は数週間前はその丘陵地帯でも北方面に行きましたが、今回は中心の小さな部分を集中的にご案内しました。ちょうど季節的にヒースの花が咲いていて、丘一面が優しいピンク色の布で覆われているようで綺麗でしたよ。
 
 
 
 
 
 

 丘陵地帯といえばデヴォンシャー公爵邸チャッツワースハウスはあまりに有名です。ジェーン.オースチン作‘高慢と偏見’ではミスター.ダーシーの住むペンバリーはここ、チャッツワースにインスピレーションを受けたと言われ、2005年のキーラ.ナイトリー主演の同名の映画のロケにも使われました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここまで行ったらランチは館のファームショップで。少し離れたところにありますが、先代の公爵夫人が1977年にオープンしたもので、王室、貴族の館のファームショップではパイオニア的存在です。ここで売られるものの60%は公爵の領地で採れたもので、そこにあるカフェはいつ行っても行列ができるほどの人気。しかも値段も良心的なお値段。行列と言ってもたいていは15分くらいのうちに順番が回ってきます。

写真はダービシャー(この館のある州)のホット.オートケーキと言われるもので、私も初めていただきました。




 丘陵地方と言えば昔から行われている‘ウェル.ドレッシング Well Dressing’は有名です。いつごろから始まったのか、はっきりしたことはわかりませんが、清潔な水に感謝するために花弁などの植物で絵を描き村の井戸を(現在は飲み水の出る水道なども)飾ります。ウェル.ドレッシングは5月から9月にかけて田舎の村で見かけることがありますが、特にこの地方が有名です。


 
 
 
 
 
 

今年は第一次世界大戦が始まって100周年と言うこともあり、それにテーマを置いた飾りが目につきました。







 ウェルドレッシングの写真を撮っていたら、地元のご婦人がおしえてくれました。「この先の教会も是非、訪れてくださいな。素晴らしいフラワーアレンジメントが見られますよ。よろしかったらご案内しましょう。」彼女に連れられて訪れた教会もそれぞれのテーマにあった花のディスプレイを鑑賞できました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この他、ヒースの丘を見ながらの森の中のドライブもしました。あまりに綺麗なピンクの丘に、「車で通りすぎるだけではもったいない」と、ちょっとだけウォーキング。

 

 
 
 
 
そうそう、この近くのシェフィールドは昔からカトラリー(ナイフ、フォークなど)の製造で有名なところ。今でも手で制作している工場も訪れました。

 


 

またブルージョンという半貴石で有名な町カッスルタウンにも行きました。

 


 

ずっと昔ブルージョンのペンダントをアンティークショップで見つけ、「なんって綺麗な石なのでしょう!」と思いました。そのペンダントは今でも大切に持っています。このブルージョンは、世界でもここでしか採れないそうで、町の中はブルージョンを扱っているお店があちこちに見られました。
 
 
 
 

‘おいしいもの食べ尽くし’のこのツアー、夕食までの時間に「空腹感を味わって」と、廃墟になっている中世のお城のある丘まで登りました。細いジグザグの道を登ります。行きかう人に「まだもうちょっとありますよ。だんだん険しくなってくるけど、行く価値は十分あるから頑張って!」と励まされ、ハーハー言いながら登った頂上からの景色は町の背後に田園が広がり絶景でした。登ってきて良かった!
 
 
 
 

 
「せめて後もう一泊はしたかった」とはよく耳にするお客さまの感想ですが、今回も同じ。私でさえ、「住みついてもいいなー。」とさえ思ってしまいました。