5/17/2015

子犬を引き取りにリホームセンターへ。

今年初めに友人夫婦の犬が亡くなりました。昔から犬、猫、鳥、カメ、モルモット、ウサギなど常にレスキューされた動物を飼っている友人ですが、それらの動物が亡くなるたびに悲しい思いをしています。その中でも犬猫を失った時のつらい気持ちは相当なもので、何度経験しても決して慣れることはありません。一か月くらい前にやっと新しい犬を飼う心の準備ができたようで、ウッドグリーンというリホーミングセンターに相談しました。そして昨日、もう一匹の飼い犬タイラーを連れて新しい犬を引き取りに行く際に、私もくっついていったというわけです(リホームとは新しい飼い主に引き取られることを意味する)。

ウッドグリーン(http://www.woodgreen.org.uk/)という名のこのリホーミングセンターへは初めて行きました。その広さにびっくり。1924年にロンドンの北部に住むひとりの女性が始めたこのチャリティは今では国内に3か所のリホーミングセンターを持ち、特にケンブリッジシャー州に5300坪という広大な敷地を持つ本部では、リホームされるのを待つ犬猫、鳥、ウサギ、イタチ、鶏、モルモットなど救助された動物が飼われています。

 
地図を見ていただければどのくらい広いかがおわかりになるでしょう。
 
 
 
 
 
敷地内には動物の住む場所だけではなく、獣医さんの診療所、大人、子供の教育センター、レストラン、売店、子供の遊び場など色々な施設が揃っています。独自の風力発電も行なっていて環境も考慮した素晴らしい施設です。動物園のようであり、動物園とは全く違う施設。違いは訪問客より動物の福祉を一番に考えていること。そういう環境で暮らすハッピーな動物を見ることが、つまりは訪問客をも幸せにしてくれるのですものね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 売店だけでもこの広さです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
毎年ここでリホームされる動物たちは5,500匹以上。でも、誰でも簡単に引き取ることができるのではありません。そのプロセスは、イギリス内のどのリホーミングセンターでもほとんど同じです。
 
それではその通常のプロセス(犬の場合)を簡単にお知らせしましょう。(子犬の場合は少し違うところがある)
 
①興味のある犬をネットで見つける。
②センターに面接の予約を取る。
③必要書類と共に(新しい飼い主の情報。例えば家族構成は?どういう家に住んでいるのか?犬を置いて家を空ける時間が一日に平均何時間あるか?子供の数、他のペットの数など)、可能であれば家族全員でセンターを訪れスタッフと面接する。
④面接をパスした後で、希望の犬と面会。
⑤犬が決った後で、スタッフとその犬の健康状態などを話し会う。
⑥スタッフの同意があった後、その犬を犬舎の外に連れ出して一緒に散歩する。
⑦引き取る側とセンターのスタッフの間で、上記が全て満足された場合48時間以内に新しい飼い主が家族と相談の上、決定。
⑧犬を引き取る。
⑨引き取った後もしばらくはセンターから電話で様子をチェック。
 
私たちがルビーたちを引き取ったバタシーのレスキューセンターは事前にスタッフが我が家に来て、犬たちがどのような環境で住むことになるかや、庭には犬たちが逃げ出す隙間や穴がないかどうかもチェックしていきました。
 
成犬の場合は引き取る段階で120ポンドを支払います(2万円2000円)。その中には去勢手術の費用(すでにセンターで済まされる)、マイクロチップ代、そこまでに必要な予防注射、ノミ、寄生虫の処理、4週間の保険料が含まれています。
 
さて、それでは写真と共に、リホーミングセンターに行った時のことをお話しします。
 
 
犬のリホームの課はこちら。
 
 

 
 
 
 
今回はあるお母さんから(レスキューされた際にすでに妊娠していた)生まれた子犬5匹のうちの一匹を選びました。
 
 
 
 

 
 
 
 
亡くなった友人の犬のアビーはラーチャー犬でしたので、彼らは今回もラーチャー犬を探していました。我が家のルビーとジャスパーもラーチャー犬です。でも成犬になってから引き取ったので、赤ちゃんの時の様子が想像できませんでした。今回初めて目の前でラーチャーの子犬を見ました。ラーチャー犬という犬種は色々な血が混ざっている雑種です。ですから犬のショーなどにはこの犬種のカテゴリーはありません。ここにる子犬は生後8週間です。
 
 
 
この中から一匹の子犬を決めるのは不可能に近いことでしたが、やっと決心したようです。
 
 

 
 
 
 
その後、タイラーと面会。人間と同じで気が合うかどうかをスタッフがチェックします。
 
 

 

 
 
 
サルーキー犬のタイラーは13歳。人間で言うと曾孫くらいの年の差です。
 
 

 

 
 
 
スタッフの同意も得られ、犬同士の面会も成功して晴れて友人の家の子になりました。
クローイー(Chloe)をご紹介します。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アビーを失って元気がなかった友人たちの幸せそうな顔を見たのは何か月ぶりでしょう。その日、私は朝6時半に家を出て、帰宅したのは夜の9時でした。主人は「もしかしたら?」と心配していた様子。あの子犬たちを見たら、誰だって連れて帰りたくなること間違いなし。私もそのひとりです。こんな人がいるから捨てられる犬も多いのでしょう。感情だけで動物を飼ってはいけません(と、自分に言い聞かせ)。一度飼ったら、余ほどのことがない限り一生のお付き合いです。年をとれば人間と同じく介護が必要になるでしょう。病気になれば獣医さんに連れて行かなければいけません。毎日の散歩はもちろんです。先述した「犬を引き取る際のプロセス」は、そういう意味でも大切なことなのです。
 
 
Dogs are for Life, Not Just for Christmas.
犬とのお付き合いは一生続きます。クリスマスだけではありません。
 
犬好きの人たちの車に貼ってあるスティッカーのスローガンです。