5/06/2015

ロイヤル.ベビー

私が日本から戻って三日目に起こったインドの大地震は世界中に大きなショックを与えました。テレビのニュースで地震の事を知った時は3年前の東日本大地震を思い出し、何とも言えない恐怖を感じました。7000人以上の被害者を出した今回の地震は生存者救出から復興に向けての活動に移りましたが、その中で日本の救助隊は「ネパール政府からの要請がある限り続ける」と発表したそうです。それは例え生存者が見つかる可能性はほとんどゼロに近いものかもしれませんが、家族にとっては正に生命の綱でしょう。どうか一刻も早く、生存者が救出されますように。


インド大地震と、明日に迫ったイギリスの総選挙で毎日のニュースが埋もれていました。先日お客様から「日本を発つ前に‘ウィリアムさんとケイトさんの赤ちゃんの事でイギリスは持ちきりでしょう’と友人たちに言われてきましたがどうでしょう?」と言われて、「そうだ!予定日はそろそろだった!」と思い出しました。赤ちゃんの事をすっかり忘れていました。お世継ぎのジョージが生まれる時はさすがにマスコミも大騒ぎしていましたが、今回のお誕生は他のニュースにかき消されていたように思います。現エリザベス女王の5番目の曾孫に当たり、ジョージの次に王位継承順に名を連ねることになる新しいロイヤル.ベビーなのですが。

そんな中で2日、シャーロット王女が誕生しました。
 

 
 
 
イギリスでは2013年に王位継承法が変わり、男児でも女児でも先に生まれた順番に継承権の順番が決まることになりましたので(ただし2011年10月28日以降に生まれた君主直系の王族のみ)、これからの順番は下記のようになります。
 
 
①チャールズ皇太子(ケンブリッジ公爵)②ウィリアム③ジョージ④シャーロット⑤ハリー王子(ウィリアムの弟)④アンドリュー王子(チャールズの弟でヨーク公爵)⑦ビアトリス王女(アンドリューの長女)⑧ユージー二―王女(アンドリューの次女)⑨エドワード王子(チャールズの弟でウェセックス伯爵)⑩ジェイムズ(エドワードの長男でセヴァーン子爵)⑪ルイーズ(エドワードの長女、ジェイムズの妹でレディ.ルイーズ.ウィンザー)⑫アン王女(現女王の長女でプリンセス.ロイヤル。1950年生まれのために改正後の王位継承法の基準に含まれない)⑬ピーター.フィリップ(アン王女の長男。アン王女の意向でタイトルは持っていない)⑭サヴァナ.フィリップス(ピーターの長女)......


そして数日前に赤ちゃんの名前が発表されました。
 
 
 
 
シャーロット.エリザベス.ダイアナ
 
 
これらの名前は歴史に残るロイヤルファミリーの名前に登場します(シャーロットはジョージ3世のお妃など)。でも今回は、歴史というよりはウィリアムとケイトの個人的な好みで選ばれたように思います。シャーロットは、チャールズ(祖父)の女性名(‘小さなチャールズ’という意味)でエリザベスはもちろん現女王、ダイアナはウィリアムの母名ということからつけられたのでしょう。特に‘ダイアナ’はロイヤルファミリーの名前としては登場したことがなく、ウィリアムの亡き母親にちなんでつけられたことは間違いありません。全てがお二人の人生で最も影響を受けた人たちの名前です。
 
 
伝統、形式にとらわれず、個人的な好みでつけられた名前に納得。近代社会に遅れないようにすることこそ、イギリス王室の継続の鍵と思います。伝統だけに捕らわれない新しいイギリス王室を益々見せつけられた気がします。


さあ、明日はついに総選挙の日。最近テレビは各党首の討論番組から支持者の討論会などでもちきりです。景気、国民医療制度、移民問題、税金......今回ほど結果が全く見えない選挙もないでしょう。保守党も労働党も過半数を取ることは難しいと言われます。再度連立政権が成立される可能性が大ですが、どことどこが一緒になる?スコットランド民族党の勢いが大きく、また無所属等も大きな存在です。


イギリスの経済は徐々に回復に向かっているとはいえ、赤字を埋めるために公共サービスのカットを急激にし過ぎると高額所得者はより裕福に、低額所得者はより貧乏になることは避けられないでしょう。選挙そのものより、どこが政権をとっても、連立政権の下で今後どのような政治が行われていくかが気になります。


明日は一日テレビにかじりつき?