7/23/2015

ナショナルトラスト所有のウィティック.マナーとウィリアム.モリス

イギリス国内を個人であちこち周るのでしたら、是非ナショナルトラストの会員になることをお勧めします。ナショナルトラストとは歴史的に重要な建造物や自然景観を守るために1895年に設立された民間の保存財団で、イギリスの会員制組織としては最大のものです。現在その会員は400万人くらい。

会費は一年間で個人であれば50ポンド、夫婦など大人二人の場合は99ポンド、家族であれば104ポンドで、会員になればナショナルトラストが所有する500の場所が無料で入場できることはもちろんですが、何よりナショナルトラストをサポートすることに貢献できるのです。その他、ナショナルトラスト所有の物件に関するインフォメーションが満載されたハンドブック(毎年発行)や新しい物件、イベントを知らせるニュースレター、雑誌が毎年3回送られてきます。

ナショナルトラスト所有の物件の入場料はそれぞれ違いますが、非会員ですと例えばヒドコート.マナーのガーデン入場は大人で11ポンド50ペンス(寄付金込)、アガサ.クリスティの住んだグリーンウェイは10ポンド90ペンスです。

ということで、私はイギリスを周ろうと考えていらっしゃるお客様には会員になることをお勧めしています。英国在住の会員と同じように日本にも雑誌などが送られてきますので、帰国後も楽しみがあるということになります。その場で会員になることができるので、これも便利。会員になったその時から無料の特権が楽しめます。

私も、もう30年以上も会員になっていて支払った会費の何倍もの特典を受けています。田舎に行って一時間でも時間がある時は、近くにナショナルトラスト所有の物件があるかどうかをチェックします。1時間では到底見きれません。でも入場料を払う必要がないのでざっと見学するだけでも十分満足です。そうやって訪れた場所が気に行って、日を改めて再度訪れたことも何度もあります。


会員証です。これを車の前のところに置いておけば駐車代も無料。








先日も、こうやってちょっと立ち寄った場所で思いがけない発見がありました。場所はバーミンガムから50キロくらい西に行ったところにあるWightwick Manor(‘ウィティックマナー’と発音)です。地元で塗料、インクなどで財を成したセオドー.マンディによって1887年に建てられた家はハーフティンバー様式の美しい建物です。









中はアーツ&クラフツ芸術スタイルの影響を受けた珍しい内装です。オーナーがウィリアム.モリスと交流があったことからモリス自身の手になる作品やモリス商会で作られた家具や壁紙を多く見ることができますので、モリスファンには是非訪れていただきたい家です。









 
 
 
 
 
 
 
大きな暖炉の上はどうなっているのでしょう?と、私だって気になります。
 
 
 
 
 
 
モリスの友人であり、奥さんジェインの愛人でもあったロゼッティの作品も。
 
 
 
 


デ.モーガンのお皿やタイルも。
 
 
 




ラファエル前派の絵画もあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
‘ダウントンアビー’ファンの方はこういう邸宅に行けばキッチンも気になりますね。
 
 
 
 
さて、ここでクイズです。手前にある棒は何でしょう?
 
 
 
 
答えは次回のブログで。
 
時間があったら是非庭に出ましょう。
 
 
 
 
ベリー類や果物野菜もティーショップのために植えられています。
 
 
 
 
 
 
 
見学を終えて向かうところはもちろん売店です。「これを買えばもっとナショナルトラストに貢献したことになる」と言い訳をしながらついつい手が出てしまうのは私だけではないでしょう。