5/14/2016

ヴィーガン.アフタヌーンティ

イギリスのホテルでアフタヌーンティをする場合、予約時にお願いするとほとんどの場合、例えばベジタリアン、ヴィーガン、イスラム教徒、ユダヤ教徒、糖尿病、グル―テンフリー、ナッツフリー、減塩、乳製品フリー....のアフタヌーンティを用意してくれます。それらは普通のアフタヌーンティが基礎になっていて、例えばベジタリアン用ですとサンドウィッチにはスモークトサモンの代わりに卵やチーズを使ったものが出されたりします。

でも今回はロンドンでただひとつのヴィーガンアフタヌーンティ専門のホテルに行って来ました。世界中の食が集まり賑わうQueenswayの通りからほんの少し入いると驚くほどイギリス的な住宅街があります。La Suite Wes t- Hyde Parkというそのホテルは白いテラスト.ハウスが並ぶInverness Terrace と Inverness Placeの丁度角にあります。






昔は4軒の個人宅であった建物をつなげてホテルにしていますが、中はかなりコンテンポラリーです。レストランはひとつだけなので、朝食、ランチ、ディナー、アフタヌーンティは全て同じ場所でいただくのですが、マナーハウスや高級ホテルとは一味違った雰囲気でそれはそれでまた心地よく、時間の制限もないので(現在ではほとんどの有名ホテルは2時間制限)素敵な時間を過ごすことが出来ました。




窓際の席は緑いっぱいのテラスが見えて特に素敵でしたよ。ではメニューを紹介しますね。
 
このホテルはアルコールは出さないので(お部屋に持ち込むことはOK)、シャンペーンの代わりにアルコールフリーのフィズでアフタヌーンティが始まります。
 
お茶はもちろん選ぶことができますが、ダージリンのセカンドフラッシュがありましたので、迷うことなくお願いしました。これが大正解でした。セカンドフラッシュの紅茶が何度でもおかわりできるのも嬉しいですね。

 
 
 


サンドウィッチは、お豆腐でできたスクランブルエッグ、キャシューナッツのバターとポートベロマッシュルームのパテ、レモンとタイムとタヒニの混ぜ合わせ、ローストトマトとひまわりの種、アボカドとチリのムースです。ひとつひとつにシェフのアイディアがにじみ出ていて、美味しかったこと。
 
 
 




肝心のスコーンですが、ふくらみが足りないので一瞬がっかりしました。ところが食べてみると....






外はカリッとしてなかがほっこりしていて正に私好みのスコーンです。ホールミール(全粒粉)を使ったスコーンは??のところが多いのですが、ここのものはホールミールの特徴であるナッツのような味が出ていて個性があって、焼き具合も良くかなり気に入りました。
 
 
 
 
 

 
実は今回ヴィーガン.アフタヌーンティにお誘いしたのは、ペイストリーシェフ、ショコラティアとしてロンドンでも人気の渡辺ちかさんです。私のヴィーガンデザート、ケーキのアドバイザーでもあり、食べ歩きの仲間のひとりです。クラリッジホテルにいらっしゃった時は、日本の天皇陛下ご夫妻のディナーの際のデザートを完全に任され、アワードをいくつも取得して業界でも評判のちかさん。彼女のスコーンに関しては私のお客様から「今まで食べた最高のスコーン」という声を沢山聞いていますので、是非彼女の意見を聞きたかったわけです。
 
スコーンを口に含んだ時の彼女の一声は「美味しい!」。私は専門家じゃないので、ブログで「美味しい」という言葉を使うのはいつもためらいがちです。味は好みですから。今回も試食前はこのブログで紹介するつもりはなかったのですが、彼女の「美味しい!」の一言で自信がつき今日は胸を張ってご紹介することができるというわけです。それほど気に行ってしまいました。
 
 
 
 
クリームはクロテッドクリームの代わりにココナッツクリームです。私はケーキ用にはココナッツクリームをよく作りますが、スコーンには考えてもいませんでした。これもアイディア頂戴します!
 
さてケーキですが、ローフード(酵素、ビタミン栄養を損ねないように48度以下で料理されたもの)のお菓子が出てきました。普通のケーキとはまるで違います。ローフードも、ヴィーガン同様ロンドンでは人気上昇中の食べ物です。
 
 
 

 


特にキャロットケーキは、クリームチーズに代わるものを使っていました。食べるのに夢中で、何を使ったのか聞くのを忘れたのですが、もしかしたらキャシューナッツを発酵させたものかもしれません。次回、聞いて来ますね。








市場調査をする会社ミンテルによれば、イギリスの大人の人口の12%がベジタリアン、またはヴィーガンで、16歳から24歳の若者に関しては20%にも上ると報告されています。ヴェジタリアン、ヴィーガン、ローフードのレストランはどんどん増えていますし、スーパーの冷蔵、冷凍の棚には、今までのヴェジタリアン用のスペースがぐんと広がり、ヴィーガン用の新しい食料が頻繁に加わっています。

La Suite West - Hyde Parkでのヴィーガンアフタヌーンティは、ひとり27ポンド(プラスサービス料)とロンドン有名ホテルの半分というのも気持ちがいいですね。

さて、ここはホテルですのでお部屋のこともお話しします。内装はイギリスの代表的デザイナーの1人アヌーシュカ.ヘンペルのデザインで、白と黒を基本にしています。







床暖房を備えた大理石のバスルームは豪華感に溢れています。




朝食はヴィーガン他もありますが、ランチ、ディナーは完璧にヴィーガン。次回の食事が楽しみです。